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最新!加速度トレーニング

トレーニング方法は様々ありますが、日々トレーニング機器や手法の開発が進み新しいトレーニ ング法が次々と紹介されています。プロトレーナーとして51歳になる私自身、身体を20代のトップアスリートレベルにアンチエイジングさせるべく日々、ト レーニングに励んでおります。

15分程度の加速度トレーニングで、1時間のジムワークのトレーニング負荷が得られるとの謳い文句もありますが、確かに短時間で有効性は確認できています。
週5日以上、私自身、最大振幅、最大周波数で1分間のエクササイズを60セット行っています。


――加速度トレーニング

6年前から導入して各種アスリートはもとより格闘家へも指導を行っている、このアクセラレーション(加速度)トレーニングについて再度、紹介させていただきます。
残念ながら、加速度トレーニングという名称はほとんど知られていません。

数年前に国内にこのトレーニング法が導入されていますが、トレーニング機器は普及し導入する施設も増えているのですが、肝心のトレーニング法をしっかり指導できるトレーナーが極めて少ないことが認知度を低下させています。
実際、あるJリーグ有力球団も導入していますが、加速度トレーニングを指導できるトレーナー不在で、ほとんど使用されていないのが現状です。

トレーニングルームにはマシーンが設置してあるにも関わらず、選手は見向きもしないようです。
加速度トレーニングのマッサージ効果の有効性を数年前、阪神タイガース外野手 桧山進次郎選手に指導しました。効果を実感した桧山選手はプライベートマシーンとしてパワープレートを購入しキャンプにも搬入してトレーニング後の身体のケアに使用しています。


トレーニング目的だけでなく、コンディショニングやケアにも使用できる

現在、加速度トレーニングはパワープレートという専用の機器の上で行うことができます。
世界ランキング1位 テニスプレーヤーのナダル選手や世界ランキング1位のプロゴルファー達がパワープレートを使用してこのトレーニングを導入していることで世界的にみても大きな実績が評価されています。
私は指導を担当させていただくプロ野球選手の肉離れの治療をはじめ、投手の肩の故障の治療やコンディショニング、プロボクサーやK1戦士の試合前のコンディショニングにも活用しています。
現在、私が国内でパワープレートを直接自ら活用し最も多くのトップアスリートのトレーニング指導、ケア、コンディショニングを行っています。

もちろん、専門医として加速度トレーニングの特性やトレーニング方法を研究して実践しているのは私だけです。
研究者は国内にも多数存在しますが、自らアスリートレベルでの活用は行っていないようです。
加速度トレーニングとして使用されるパワープレートはコンディショニング、ケア、マッサージ、治療まで使用が可能です。

中日ドラゴンズの投手の左腓腹筋部分断裂の重傷をパワープレートでのリハビリが有効で血腫の短期間の吸収、腫れ、疼痛の軽減、筋力強化が奏功して極めて短期間で回復させることができました。




アクセラレーション(加速度)トレーニング・・・耳慣れない名称ですが加速度トレーニングは 最先端のトレーニングとして認知され、宇宙空間でのプログラムとしての利用からオリンピックのメダリストによる活用や、車椅子に拘束された人の歩行能力の 回復、アンチエイジングのための運動、骨密度の増加を目的とした利用に至るまで幅広く利用されています。
加速度トレーニングは宇宙飛行士が宇宙飛行に従事する際の無重力状態による悪影響を抑えるために、旧ソビエトで1960年代に使用され研究されました。

 数年後、振動の科学は幅広く研究され、その研究結果は加速度トレーニングが筋力、柔軟性、筋パワー、骨密度、循環および回復に対して有益であることを示しました。
加速度トレーニングは重い負荷をかける必要なく、身体の反射神経筋の活性化の強化を促せるのです。運動生理学的にも理にかなった新しいトレーニングなのです。
私どもの研究では皮膚血流の増加、自律神経機能への好影響も確認されています。
パワープレートは3次元の振動を発生させますが、

二段階の振幅

・人体の機能的動作における上下、左右、前後の3平面から身体を刺激するための3次元の動きの導入。


臓器の共鳴を身体に引き起こさない振動数である25~50 Hzの間に設定。パワープレートは有害な影響を身体に与えないために、低い振幅と高い振動数を発生させるように設計されています。

・関節可動域の明らかな向上。


筋力の増強

・四肢や関節の末梢の循環系の血流改善。

――原理と機能

従来型の筋力トレーニングでは筋力強化のために重い負荷を持ち上げる必要がありました。
加速度トレーニングは筋力トレーニングにおいてパラダイムシフトを起こしまし、重量負荷を持ちあげるよりも簡単に身体を強化することができるという点で 従来のウエイトトレーニングとは異なります。加速度トレーニングは関節にリスクをほとんど与えず、短時間で、かつ障害発生の危険性も低い中で筋力トレーニ ングをおこなえます。


――加速度トレーニング機器の特徴と理論

振動はプラットホームの基盤の下にある二つのモーターから生み出され、その振動は以下の三次元の動きです。

・垂直軸(上下)
・前額軸(左右)
・矢状軸(前後)

振動により反射と神経系の反応を活性化させます。パワープレートは加速度(または重力加速度)となる機械的な振動を発生させ、加速度を決定づける要因は振動数と振幅です。


 重力加速度の計算

 我々の身体は地球の1重力加速度という重力場に慣れ、その重力に反応しています。重力の大きさは身体の質量(重さ)がどれ程であるかに関係します。筋力は人間の身体が有する、地球上の重力における重力加速度に対する一つの反応です。

ニュートンの第二法則は力の定義を示す。

力=質量×加速度(加速度は速度の変化の割合)


――質量ではなく加速度
加速度トレーニングは負荷を加えられた質量以上に、加速度によって力を生み出します。プレートの上では、増加した重量加速度の影響下で動作をおこなうことによって、重い負荷を伴うことなくより大きな力が生み出されます。
 従来の筋力トレーニングでは、加えている力の要因によって力が計算されます。

 反射

 筋紡錘は振動と重力加速度に対する身体の反射反応に重要です。筋紡錘は機械的刺激受容器、自己受容器です。その役割は自分がどこにいるのか感知し、関節 の状態に気付く、そして筋長を感知します。筋紡錘の役割は、伸張を及ぼす要因に対する反応として情報を取り継ぎ、脊髄や中枢神経系に送り出すことです。筋 紡錘は筋長の変化、およびその速度に関する情報を取り継ぎ、筋紡錘は重力の受容体です。
 

 神経

 神経系の機能的単位はニューロンです。神経は刺激に反応し、神経は肉体と環境の感知を可能にする信号や処理に関する情報を伝達します。神経は筋から中枢神経系へと求心性の信号を運びます。
神経の反射回路と中継回路の二つの回路は、アクセラレーショントレーニングによって活性化されます。 



アクセラレーション(加速度)トレーニングの特徴

・筋力向上
・柔軟性の改善、関節可動域の向上
・疼痛の軽減
・同化作用ホルモンの生産とストレスの減少
・自律神経機能向上
・姿勢制御やバランス能力強化
・循環能力向上やリンパ排液(下肢などむくみの改善)
・肉離れの回復
・骨密度増加
・筋膜リリースによる筋肉のはりの改善
・皮膚とコラーゲンの再生の強化
・心血管系循環の改善
・代謝の向上


 

――加速度トレーニングの展開と将来

加 速度トレーニングにより脊髄固有の経路が刺激されると、主に神経筋系の神経適応が惹起され、その結果筋力が増加します。筋力以外の血流、自律神経に対する 影響も同様に起こり、加速度トレーニングを行う場合、周波数、振幅、時間、姿勢など多くのパラメーターがありトレーニングプログラムが複雑になります。
ウエイトトレーニング以上にトレーニングプログラムや指導法が複雑になります。

また、姿勢保持や体重移動などを安定して行うため、加速度トレーニグを指導する熟練トレーナーも必要で、負荷の程度でトレーニング効果、マッサージ効果、リラクゼーション効果、ストレッチ効果にも大きな差が出ます。

このため、安定した効果と評価を得るために適切なパラメーターの組みわせと明確な運動プログラムが必須となります。現時点では残念ながらトップアスリートに競技特性を配慮した適確なトレーニングプログラムは熟練したトレーナー同様、存在しません。
システムがすでに普及しつつありますが、国内では加速度トレーニングに関する取り組みや臨床研究はまだスタートしたばかりで検討する課題が多いのです。

しかし、血流・自律神経への好影響は加速度トレーニングが健康増進目的にとどまらず各疾患の治療目的でも有用でありアスリートのトレーニング、コンディショニング、ケア、治療にも応用が可能です。
この素晴らしいトレーニング法をしっかり理解して、より一層この分野での研究を進めていきたいと思います。

順天堂大学医学部 病院管理学 スポーツ医学研究室では、小林弘幸教授の下、パワープレートを使用して加速度トレーニングが皮膚血流や自律神経に及ぼす影響の研究が現在も進んでいます。
スポーツのみならず健康増進にも大きな有効性が期待できると考えています。
新しいトレーニングを絶えず勉強することはアスリート、指導者にとって必須のことだと思います。
加速度トレーニングの国内での今後の普及をご期待ください。

参考文献:アクセラレーショントレーニング ハンドブック 
監訳:戸澤明子、浅野勝己 NAP Limited


資料提供:株式会社 プロティア・ジャパン
 http://power-plate.co.jp/




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